【感染症対策】医療・介護現場の安全を守る!感染管理の基礎知識と具体的な対策

医療・介護現場では、感染症のリスクが常に存在します。入所者や利用者は高齢者や基礎疾患を持つ方が多く、感染症に罹患すると重症化しやすいため、日頃からの適切な感染対策が不可欠です。
本記事では、医療・介護現場で働く皆様が安全な環境を提供できるよう、感染管理の基礎知識と具体的な対策について解説します。
1. 感染管理の基礎知識
感染管理とは、感染症の発生や拡大を防止するための対策全般を指します。基本的な考え方として、「標準予防策」と「感染経路別予防策」があります。
・標準予防策
すべての患者・利用者に対して行う基本的な感染対策です。
手指衛生、個人防護具(手袋、マスク、ガウンなど)の使用、呼吸器衛生(咳エチケット)などが含まれます。
・感染経路別予防策
感染症の種類や感染経路に応じて、標準予防策に追加して行う対策です。
接触予防策、飛沫予防策、空気予防策などがあります。
2. 具体的な感染対策
具体的な感染対策としては、以下のものが挙げられます。

・手指衛生
石けんと流水による手洗いや、アルコール手指消毒剤の使用を徹底します。
特に、患者・利用者に触れる前後、食事の前後、トイレの後などは必ず行いましょう。
・個人防護具の使用
手袋、マスク、ガウンなどを適切に着用し、感染源から身を守ります。
個人防護具は、感染症の種類や感染経路に応じて適切なものを選択し、正しく着脱することが重要です。
・環境整備
居室や共有スペースの清掃・消毒、リネン類の適切な取り扱いなどを行います。
特に、患者・利用者の手が触れる場所や、体液・排泄物などで汚染された場所は重点的に清掃・消毒しましょう。
・呼吸器衛生
咳やくしゃみをする際は、ティッシュやマスクで口鼻を覆い、周囲への飛沫拡散を防ぎます。
使用後のティッシュはすぐに廃棄し、手指衛生を行いましょう。
・ワクチン接種
インフルエンザや新型コロナウイルスなど、ワクチンで予防できる感染症については、積極的に接種を検討します。
職員自身がワクチン接種をすることで、感染源とならないことが重要です。
3. 感染発生時の対応
万が一、施設内で感染症が発生した場合は、速やかに以下の対応を行いましょう。

・感染者の隔離
感染者の居室を分け、他の患者・利用者との接触を避けます。
・感染経路の遮断
感染経路を特定し、接触者への感染拡大を防ぎます。
・感染状況の報告
施設長や関係機関に感染状況を報告し、指示を仰ぎます。
・施設の消毒
感染者が利用した場所や、接触した可能性のある場所を徹底的に消毒します。
4. 日頃からの備え
感染症対策は、日頃からの備えが重要です。

・研修の実施
職員向けの感染対策研修を定期的に実施し、知識と技術の向上を図ります。
・マニュアルの作成
感染対策マニュアルを作成し、職員がいつでも確認できるようにします。
・備品の確保
手指消毒剤、個人防護具、清掃・消毒用品などを十分に確保します。
5. まとめ
感染症対策は、医療・介護現場で働くすべての職員にとって重要な責務です。日頃から感染管理の基礎知識を身につけ、具体的な対策を実践することで、患者・利用者と職員の安全を守りましょう。
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参考資料
- 厚生労働省:感染対策の基礎知識
- 公益社団法人日本看護協会:労働者の感染管理
これらの情報を参考に、医療機関・介護施設の感染症対策に役立ててください。