2024年4月1日より、介護サービス事業者に対してBCP（事業継続計画）の策定と研修・訓練の実施が義務付けられました。

特に、感染症対策は介護施設におけるBCPの中でも重要な要素の一つです。

ここでは、介護施設で行う法定研修「BCP 感染防止対策」について、詳しく解説します。

研修の目的

この研修の主な目的は以下の通りです。

• 1.　介護施設における感染症発生時の対応手順を理解する。
• 2.　感染症拡大防止のための対策を学ぶ。
• 3.　BCPに基づいた具体的な行動計画を立てられるようにする。
• 4.　研修を通して、職員の意識向上と連携強化を図る。

研修の内容

研修内容は、施設の種類や規模、地域性によって異なりますが、一般的には以下の内容が含まれます。

1. 感染症に関する基礎知識

• ・感染症の種類と特徴
• ・感染経路と予防方法
• ・感染症発生時の初期対応

2. 介護施設における感染症対策

• ・手洗い、うがい、マスク着用などの基本的な感染対策
• ・施設内の衛生管理（消毒、換気など）
• ・感染者の隔離・療養スペースの確保
• ・感染情報の共有と記録
• ・職員の健康管理

3. BCP（事業継続計画）における感染症対策

• ・感染症発生時の事業継続計画の策定
• ・職員の役割分担と連携体制の構築
• ・関係機関との連携（保健所、医療機関など）
• ・備蓄品の確保（マスク、消毒液、防護具など）
• ・訓練の実施（机上訓練、シミュレーションなど）

4. 感染症発生時の具体的な対応

• ・利用者や家族への情報提供
• ・感染疑い者の発見時の対応
• ・感染者の隔離・搬送
• ・濃厚接触者の特定と対応
• ・施設内の消毒

6. その他

• ・感染症に関する最新情報
• ・感染症予防に関する研修
• ・メンタルヘルス対策

研修の実施方法

研修は、以下の方法で実施されることが一般的です。

• □講義形式
• □グループワーク
• □演習形式
• □OJT（オン・ザ・ジョブ・トレーニング）

研修のポイント

• ✓研修内容を理解しやすいように、事例や動画などを活用する。
• ✓研修参加者（職員）が積極的に意見交換や質問ができるように、グループワークやディスカッションを取り入れる。
• ✓研修後には、研修内容の理解度を確認するためのテストやアンケートを実施する。
• ✓研修結果を今後のBCP策定や見直しに役立てる。

まとめ

介護施設における法定研修「BCP 感染防止対策」は、感染症発生時においても適切な対応ができるように、職員の知識と意識を高めるための重要な取り組みです。

研修を通して、職員一人ひとりが感染症予防の意識を持ち、BCPに基づいた行動ができるようにすることが重要です。

• ※研修内容や実施方法については、各都道府県や市町村の介護保険担当課、または介護関係団体にお問い合わせください。
• ※厚生労働省のホームページでも、介護施設における感染症対策に関する情報が掲載されていますので、参考にしてください。